ハンドメイド販売は簡単なの? Ⅱ
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前回の記事(ハンドメイド販売は簡単なの?)を読み返してみて、次の式の説明が不十分で話が飛躍していると感じたので追記を書きたいと思ったので続編を書きます。
【販売価格=製造原価+販売管理費-買い手の評価】
前回の記事を読み返してみると、いきなり買い手の評価が出てきてこれが何を示しているのか十分な説明がなく話を進めていました。
ではまず上の式を説明するために次の式をまず説明させてください。
【販売価格=製造原価+販売管理費+売り手の評判】
これはイメージしやすいですよねブランド価値みたいなものですから、売り手の評判が高ければ販売価格も上がっていく仕組みで一般的で理解しやすいです。
でも、ハンドメイド販売をこれから始める普通の人はこの売り手の評判は、まずありませんよね。例えば、ものを作るのが好きでハンドクラフトを趣味にしていている人が作った作品をこれから初めてハンドメイドマーケットプレイスサイトに出品することを仮定してみます。
例)材料費に500円かかり1.5時間かけて作ったので時給1000円で計算するとして後は趣味でやっていることだし利益を取るのも気が引けるな、作るのは楽しかったしそれが利益みたいなものだし2000円で出品してみよう。
ということで2000円で出品したとしましょう。ハンドメイドマーケットプレイスサイトに実際に出品したことのある普通の人ならわかってもらえると思うのですが、たぶんこの例の場合は売れませんよね、利益なしの値段設定にしているにも関わらずにもです。普通の人が趣味で1.5時間かけて作ったモノって、既に同じようなモノが出品されていて、この作品を選ぶ理由が見つからないですものね初出品で実績もありませんし。では、値段を下げたら売れるのでしょうか?
作品が自由な創作でオリジナリティに溢れていれば値段を下げても売れないと思います。価値が不明なものは、価値が無いのと同じですから、そういうモノがもし売れるとしたら2000円の時点で既に売れているのではないでしょうか。
でも、売れっ子作家の模倣品のような作品であれば、値段を下げていけば安いということで売れる可能性が高いのではないでしょうか。売れっ子作家の評判が作品の価値を担保してくれてますから、本物がほしいけど高いから安いし似てるから買ってみようかなと。
上記の例で何を示したかったかといいますと、ハンドメイド市場で取り扱われているの主な価値は機能的価値ではなくデザイン的価値であるということです。そしてこのデザイン的価値は、製造原価+販売管理費+予定利益のような客観的な価値を積み重ねて値が決まるようなものでなく、私はこれの価値を認めて壱万円で買おうと買い手が言えば壱万円の価値が実績になり、十万円で買おうと買い手が言えば、十万円の価値が実績になります。ようするに 買い手側に価値を発見してもらわないと価値が決まらないということが言いたいことです。
以上を踏まえて話を戻しますと、ブランド的な考えの場合は、
【販売価格=製造原価+販売管理費+売り手の評判】
の場合の売り手の評判の最低値0です。これがマイナスになる場合は、そのモノを作れば損になりますので今後それを作る動機が存在しません。お試しで作られることはあっても継続して作られることはないと思います。
次に、ハンドメイド市場に出品されてくる作品の場合を考えると、何かを自由に作るという行為が好きな創作文化の担い手の人達がメインプレヤーとして出品しているので、価値が不明で価格が付かない状態でも、作り手の創作への情熱がなくなるまでは、作品は作り続けられると思います。需給面では常に供給が需要を上回っているというより、そもそも需要が無いのに供給が存在する状態なのだと思います。
そのような世界では、価格不明で値段がついていない0の状態が 当たり前であり価格が付けば価値が発見された事になり売り手にとっては好ましいことだと思います。
以上のような考えを説明しているつもりで前回の記事には、
【販売価格=製造原価+販売管理費-買い手の評価】
と記載しました。
買い手の評価のことを今回の記事では価格の発見と言っていますが、買い手の評価は価格と言う金銭的に換算でるものだけではないと考えています。価格の発見は買い手の評価の一部の機能だと思っています。
今回の補足で、買い手の評価についての自分の考えをある程度説明できたと思うのでこれで追記は終わります。また記事を読み返してみて説明になっていないと思う箇所があれば追記するかもしれません、その時はまた記事を読んで頂ければ幸いです。